「先生、俺、この塾やめるかもしれんで」。 「なんで?」 「お母さんにLineで、夏休み毎日授業入れるって言ったら?」 「おう、言った」 「前の塾、それでやめたって言っただろ?なんで分からんだ!」 「毎日授業やらんと、お前どこの高校にも行けんもんで言っただ」 「じゃあ辞めるでな」 「分かった。辞めさせるわ」 「・・・。は?」
「だもんで、勉強できないなら辞めさせる。当たり前だら」 「なんでそんなひどいことをするだ。どれだけひどい目に会ったか言っただろ?」 「どういう風に?」 「前の塾で勉強無理やりやらされただけん、習って無いところ『まだやってません』って言ったらね」 「うん」 「『関係ない。やれ』って。」 「それでできないと『お前何やってるだ!?本気のバカだろ!!』って」。 「出来るわけないじゃんな。やってねえんだし」 「どこに行ってもそうだった。」
「鉛筆で頭叩かれたり」 「『馬鹿かお前、さっさとしろ』とか言って」 「お前もそうするって言ったじゃないか?」 「は?何それ?」 「毎日授業させるって言っただろ?」 「俺がそんなことすると思ってるだか?」 「・・・・・・。」 「たしかにやらんと思うけど、毎日授業するってそう言うことだろ?」 「必要な事はやる。やらんと高校受からんもんで。マジで受からんぜ」
「だけん理不尽なことはやらん。当たり前だら?」 「・・・・・・。」 「そう言うこと?」 「筋が通らんことはやらん。そりゃそうだら。見てりゃ分かるら?」 「お、おう。ならいいわ」
この生徒さんは一年以上にわたって授業を死ぬほど拒否してきました。でも昨日はかなり穏やかに出来ました。 「毎日授業やるって、こういう授業でいいだ?」 って言ってました。
だもんで、昨日は「こいつらどれだけ理不尽な目に会わされてきただかいなあ」って考えていました。昨日の授業にしてもいつもの授業と全く同じでした。
ず~っと同じように授業をしていたのに、「授業をしても人格否定されない」っていう当たり前とも言えることに気付くことが出来なかったです。それほど授業や勉強を怖がっていたみたいです。勉強なんてできるわけなかったです(;^ω^)
あいつらにとって授業や勉強って虐待と同義だったのかぁ。勉強聞けないわけだわ。