僕が大学生の頃に読んだ原田宗典氏の本に、彼の大学の指導教官の言葉が載ってた。
「お前らはやんちゃだったな。でもそれがいいんだよ。最近の大学生は大人しくなったって、家内が寂しがってる。お前らは必ず、俺の家に来たら冷蔵庫を空にしてったな。最近は台所に入る奴らすらいなくなったって、家内が」
「おお、これは面白いことを聞いた」と血気盛んだった俺は、指導教官の田井教授(ちなみに4年間指導教官をして頂いた)に
「先生、家に呼んでくださいよ。冷蔵庫、空にするまで盛り上げますから!」
と飲み会の度に頼み込んだが、結局一回たりとも呼ばれることはなかった。
しかし因果とは不思議なもの。俺が塾を開くと、俺の生徒らが冷蔵庫を空にしていきやがってくれた。冷蔵庫どころじゃない。帰りを待ち構えられて、冷蔵庫に入れる前のスーパーの袋を強奪し胃袋の中に収めていきやがった。
原田宗典の話をしてやったら、
「はは、悪いことは出来んもんだな」 「いいこと出来てよかった」
「して欲しかったこと、して貰ったんだよ」
「くっ!」
しかし「貴乃花部屋」を掲げだしたころから雰囲気が変わってきたのだ。最近はわりかし大人しい奴らが増えてきた。さすがは相撲の力。ただし貴乃岩みたいな女子もまだいる。
話がちょい変わるが、静かな奴らの中でもとりわけ静かなAという生徒がいる。で、先週Aに授業をしてると、
「自分でノートに書いてちょっと勉強してみたい」
という。
「おう、やってみなよ」
「はぃ」
何を書くのかなぁ?見ていると、
「thirsty thirsty thirsty のどが渇いた」
と書いてる。
内心、
「おっ!難しい単語知ってやがるな!」
と喜んだが、
thirsty thirsty ・・
と書くAをみて、ふと思って聞いてみた。
「お前、のど乾いてんじゃないのか?」
「3時間くらい、何にも飲んでない・・・」
「マジか!やべぇ!」
「ちょい待っててよ!」
すぐに紅茶と水を持ってきて一安心だ。
「もうちょっと自分でやってみたい」
「おう。見てるで。」
hungry hungry hungry
こ・
こ・こ・・
こ・こ・れは・・・!
てめえも、たかりたいだけじゃねえぇかよ!(笑)
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